大腸癌 世田谷区奥沢の内科。大和内科・消化器内科クリニック

大腸癌

大腸癌とは

大腸は消化吸収が行われた食べ物の最終処理をする消化管で、主に水分を吸収します。長さは約1.8mで口側から肛門側に盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に分けられます。この部位に悪性腫瘍が発生した場合に大腸癌と呼びます。

罹患の頻度は男性、女性ともに同じで、60代がいちばん多く、70代、50代と続きます。若年者の大腸癌では遺伝的な素因もあるようです。

大腸癌の原因

大腸癌の発生原因はまだわかっていませんが、疫学を中心とした研究から、大腸癌の発生は欧米食の特徴である高脂肪、高蛋白かつ低繊維成分の食事と関係があり、生活様式が強く関係していることが明らかになっています。

大腸癌の症状

早期の大腸癌ではほぼ自覚症状はなく、大腸癌検診や人間ドックなどの便潜血検査で見つかる場合がほとんどです。進行した大腸癌では、腫瘍の大きさや存在部位で症状が違います。
右側大腸癌では、管腔が広く、かつ内容物が液状のために症状が出にくく、症状があっても軽い腹痛や腹部の違和感などです。かなり大きくなってから腹部のしこりとして触れたり、原因不明の貧血の検査で発見されたりすることもあります。
左側大腸癌では、比較的早期から便に血が混ざっていたり、血の塊が出たりする症状がみられます。管腔が狭く内容物も固まっているため、通過障害による腹痛、便が細くなる、残便感、便秘と下痢を繰り返すなどの症状が現れ、放っておけば完全に管腔がふさがって便もガスも出なくなり、腸閉塞と呼ばれる状態になります。
直腸癌では左側大腸癌とほとんど同様の症状がみられますが、肛門に近いために痔と間違えられるような出血があり、痔と思われて放置されることもあります。また、直腸癌では近接している膀胱や子宮に浸潤すると、排尿障害や血尿、腟から便が出たりするなどの症状がみられることもあります。

 

大腸癌の検査と診断

大腸癌は、早期に発見できればほぼ100%近く完治できる病気ですが、早期の大腸癌では症状がありません。無症状の時期に癌を発見するには、便の免疫学的な潜血反応を調べます。簡単に行えて体に負担のない検査ですが、陽性と出ても必ず大腸癌があるわけではなく、逆に進行した大腸癌があっても陰性になることもあります。
排便時の出血や便通異常がある場合には、血液検査で貧血がないかどうか、また腹部のX線検査でガスの分布の状態を調べます。腹部の触診では腫瘤を触れることがあり、直腸癌では肛門から指を入れて触るだけで診断できることもあります。
確定診断をするためには、下剤で大腸を洗浄し肛門から内視鏡を挿入して直接大腸の内腔を観察する大腸検査が必要です。
内視鏡検査では、直接大腸の内側を観察し、異常があれば一部をつまみ取って顕微鏡で悪性かどうかを調べます。ポリープやごく早期の癌であれば内視鏡で簡単に治療が可能で、診断と治療を同時に行うことも可能です。最近では、内視鏡治療である粘膜下層剥離術が発達し、従来の内視鏡での治療が困難な早期の癌にも行えるようになっています。
また、癌の進行度によっては、周囲の臓器への広がりや肝臓やリンパ節への転移の有無を調べるために腹部の超音波やCT、MRI、超音波内視鏡検査を行うこともあります。

大腸癌の治療

大腸癌の治療の原則は、癌を切除することです。
大腸の壁は内腔側より粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜となっています。癌が粘膜下層までにとどまっているものを早期癌といいますが、早期癌のなかでも粘膜下層の浅いところまでであれば転移の心配はなく、内視鏡での治療が可能です。
リンパ節転移の可能性があり内視鏡治療ができないものや進行した癌では、外科手術が必要です。手術では開腹し、腫瘍を含めた大腸の一部を切除してリンパ節の郭清を行い、残った腸を吻合します。
また最近では、小さな傷で手術ができる腹腔鏡を用いた治療が急速に普及してきており、早期癌ばかりではなく隣接臓器に浸潤していない進行癌に対しても行われるようになってきています。
進行した直腸癌では、肛門から離れている場合には肛門の筋肉が温存できる低位前方切除術が行われ、最近ではさらに、術後の性機能や排尿機能を温存するように必要最低限の手術が行われています。それ以外では人工肛門が必要なマイルス法で手術が行われます。
人工肛門もさまざまな装具が開発されており、普通に社会生活が送れるようになっています。
癌が広がりすぎていて切除不能な場合には、抗癌薬を用いた化学療法、放射線療法、免疫療法などが行われます。

大腸癌の注意点

大腸癌は早期に発見できれば、そのほとんどが内視鏡的に、または外科的に根治可能な病気です。早期大腸癌の5年生存率は80%以上と極めてよく、進行癌でも癌の浸潤の程度とリンパ節転移の程度により予後が変わってきます。また、大腸癌は肝臓にいちばん転移しやすいのですが、肝臓転移が見つかっても、肝臓を手術したり抗癌薬を注入したりして長期に生存することも可能です。
40歳を過ぎたら、症状がないうちに大腸癌の検診を受けるようにします。また、血便や便通異常などの症状がみられたら、すぐに専門医で検査を受けるようにします。

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Clinic Information

医院名
大和内科・消化器内科クリニック
標榜科目
内科・消化器内科・内視鏡内科
医師名
大和 滋
資格
日本内科学会総合内科専門医 / 日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医 / 日本医師会認定産業医
住所
東京都世田谷区奥沢3-35-5
電話
03-3727-5100
東急目黒線 奥沢駅より徒歩3分